ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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モエギビョウタケ(Bisporella sulfurina)- 松江城マッシュルームマップ

きのこの和名の中には、色名を“頭”に掲げているものがある。

 

きのこの和名の命名基準に精通しているわけではないので詳しいことは知らないが、つまり基本のノーマルタイプのきのこの種類があり、その同種のきのこで色違いのものがいる場合には、頭にその種が体に帯びる色を表す言葉を付けているのであろう。

 

例を挙げるならば、「テングタケ」という種類のきのこがおり、こやつと同種だが傘の色が紅色をしているものには「ベニテングタケ」という名前が付けられているというわけである。

 

まあ簡単に言ってしまうとカラーバリエーションというわけで、秘密戦隊ゴレンジャーで言うならば、アカレンジャーアオレンジャーキレンジャーミドレンジャーモモレンジャーがいますよというのと同じ原理であろう。

 

まあゴレンジャーに関して言えばすべての個体の名前の頭に色がついてしまっているので「レンジャー」というノーマルタイプは存在しないし、そもそも各レンジャーはどちらかと言えばモンゴロイドという大枠の括りなので、

 

「まったく違う話だよ、ボケ!」

 

というお怒りをうけるかもしれないが、そういった苦情はあっさり受け流すのでご了承いただきたい。

 

ただゴレンジャーの話がしたかっただけである。

 

ちなみに緑の個体だけ「ミド」と略されているところが納得いかないのは言うまでもないが、きのこに話を戻そう。

 

さて、今回のきのこも、いわゆるカラーバリエーションだとぼく自身は勝手に思っている。

 

というわけで、今回のハンティングきのこは「モエギビョウタケ」である。

 

松江城マッシュルームマップ - モエギビョウタケ -

 

ビョウタケ科ビョウタケ属のきのこで、学名を「Bisporella sulfurina」、漢字で書くと「萌黄鋲茸」である。

 

以前に松江城マッシュルームマップでもハンティングした「ビョウタケ」の仲間で、色が鮮やかな黄色をしているものが、このモエギビョウタケである。

 

さて、ここでひとつ疑問点があがる。このモエギビョウタケにも、その種が体に帯びる色を表す言葉が頭についているのであろうと思っていたのだが、「モエギ」とはどんな色かというと、鮮やかな黄色ではなく、春の頃に萌え出る草の若芽のような鮮やかな黄緑色である。

 

はて?

 

ということは、このきのこの和名の色名部分は、きのこ自体の色を表すタイプではないということである。ではなぜ色を表すかのような「萌黄(モエギ)」を頭に掲げているのだろうか。

 

あるいはこの萌黄というのは、「萌えるような黄色」の要約から「萌黄」と付けられた名前であって、いわゆる色名の萌黄とは一線を画しているということなのかもしれない。

 

ここで皆さん、思い出してほしい「ミドレンジャー」を。ゴレンジャーの中で唯一、その名前に要約が使われている個体である。他のメンバーの命名ルールに従えば、本来ならば「ミドリレンジャー」でなければならないはずが、ミドリを「ミド」と要約されてしまっているではないか。

 

なあんだ、そういうことか、ということはモエギビョウタケの命名ルールは、ミドレンジャー型というわけである。なるほど、それなら合点がゆく。

 

謎が解けてさっぱりしたところで、お開きとさせていただこう。

 

秘密戦隊ゴレンジャーでも見ながらビールでも飲もうではないか。

 

 

 

秘密戦隊ゴレンジャー復刻かるた

秘密戦隊ゴレンジャー復刻かるた

 

 

 

 

月白貉