ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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キツネノハナガサ(Leucocoprinus fragilissimus)- 松江城マッシュルームマップ -

雨上がりに可憐で透明感のある花が咲いているなあと思って顔を近付けてみると、それはきのこだった。

 

というわけで今回のハンティングきのこは、「キツネノハナガサ」である。

 

キツネノハナガサ(Leucocoprinus fragilissimus)- 松江城マッシュルームマップ -

 

ハラタケ科キヌカラカサタケ属のきのこで、学名を「Leucocoprinus fragilissimus」、漢字で書くと「狐花笠」。

 

名前といいその容姿といい実に幻想的なきのこである。花の茎のような薄緑色の柄に真っ白なカサを開かせて、かつカサの中央がうっすらレモン色をしている。遠目で見るとマッシュルームではなく完全にフラワーである。

 

食毒は不明だが、食用というよりはどちらかというと鑑賞するのに適したきのこであろう。あるいは想いを寄せる素敵な女性へのプレゼントに、と思ったがきのこの束を贈られる側としてはちょっとゾッとしないなあと思い返す。

 

狐の花笠という名前も、誰がつけたのかしらないがなかなかその容姿に似合ったセンスのよい名前である。

 

松江城内でこれまでにたくさんのきのこを見つけてきたが、総合得点でずいぶん上位に躍り出てきたステキきのこである。たぶんこの容姿からして、明日にはもう跡形もなく消え去っているであろうなあ。

 

嗚呼、可憐だ。

 

 

 

雨のことば辞典 (講談社学術文庫)

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きのこの語源・方言事典

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月白貉