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ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

片腕の男

「浦島さん、あなたといるとこんな時でも、なんて言ったらいいんだろう、笑いがこみ上げてきます、

 

嘘の笑いじゃなくて、本当に楽しくておかしくて笑ってしまうときのような笑いが、体の奥の方からグルグル渦を巻きながら上ってくる気がします。」

 

片腕の男

 

浦島さんはなくなった左腕の根元を押さえながらクスクスと笑った。

 

「褒め言葉としていただいておきましょう。さて、それはそうとこれからのことですが、サンシャインシティのショッピングモールの状況を見る限りでは、東京での感染度の進行は半端ではありませんし、私のあてにしている助っ人が到着するまでにはとんでもないことになるでしょうな、数値的なことは私にはわかりかねますが、」

 

浦島さんの言葉が一瞬途切れて、彼の顔に隠しきれない苦痛の表情が漏れる。

 

「今の今まですっかり忘れていましたが、その怪我!!どうしよう、手当の知識や経験なんてまったくないから、どうしたらいいのかさっぱりわからない、どうしよう。浦島さん、腕、大丈夫ではないことがぼくにもなんとかわかりますが、血はずいぶん止まっているみたいだし、普通の人間だったらもう死んでますよね、もしかしてまた生えてきたりするんですか・・・?」

 

「残念ながら、生えてはきません、左腕との今生の別れは済ませましたから。

 

コミックや小説や映画のように、ヴァンパイアの破損部位が超人的に再生するようなことは、現実にはないのですよ、誠に残念。

 

傷の治癒能力は、ある意味では超人的かもしれません。

 

傷口はこの数時間で塞がりつつありますし、出血もある程度止まっています。ただ痛みはそれなりにあります、おそらく人間並みといったところでしょうな。まあ私も今日の今日でそのことを知りました。いくらヴァンパイアになったからと言って、日常的にナイフで切り刻まれたり銃で撃たれたり、ましてや手足が吹き飛ぶような劇的な生活はしていませんのでねえ。ただ、おそらく手当の必要はなさそうです、この私のハンカチ一枚でなんとかしのげるでしょう。」

 

 

 

 

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月白貉