ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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アイタケ(Russula virescens)- 松江城マッシュルームマップ -

茶色とか赤とかはまあ普通なのだが、青とか緑とかの傘を持つきのこって、胸にグッと来る。

 

ましてやそれが毒きのこじゃなくて食用きのこなら、なおのことである。

 

というわけで、今回のハンティングきのこは、「アイタケ」である。

 

松江城マッシュルームマップ - アイタケ -

 

ベニタケ科ベニタケ属の外生菌根菌きのこで、学名を「Russula virescens」、漢字で書くと「藍茸」である。

 

青森や山形ではあおどよう(青土用)と言われている。間違いやすい酷似した毒きのこが少なく、みんな大好き食用きのこちゃんである。汁物や炒めものに適している、まだ食べていないけどね。

 

この鮮やかな傘の色は目にも美しいので、汁物に浮かぶその姿はさぞ幻想スープの体であろう。トムヤムクンなどの汁の色がキワドいスープに入れれば、もうパラダイスなこと間違いはない。嗚呼、食べてみたい。

 

実はこのアイタケに酷似したきのこがもうひとつあって、名前を「フタイロベニタケ」という。

 

もう感のよい方はお気づきかと思うが、このフタイロベニタケ、基本的には暗い赤の傘を持ってるのだが、まれにアイタケとまったく同じ色をした傘の色をしたものがいるらしい。形状もほぼ同じなため、藍色をした傘を持つフタイロベニタケをアイタケと見分けるのは肉眼では不可能だと言われている。判別の方法としては、アイタケとフタイロベニタケは顕微鏡的な特徴が異なるため、ぜひ顕微鏡を常備携帯していただきたい。

 

まあそんなこんなで、松江城下には様々なきのこが生息しているなあと関心せざるを得ない昨今、せっかく国宝にも指定されたことだから、いっそのこと異名を「きのこ城」としたらよいとおもう今日このごろである。

 

 

 

キノコ方言原寸原色図譜

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カビ図鑑―野外で探す微生物の不思議

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月白貉