ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ドクベニタケ(Russula emetica)- 松江城マッシュルームマップ -

※その後の判別で、たぶんこれは「ニオイコベニタケ」です。

 

松江城の周辺を歩いてみるとわかるのだが、なかなか自然が豊富である。

 

大きな樹木が生い茂り、地面には苔の絨毯が広がり、年間を通じて様々な草花の姿を観察することが出来る。ちょっとした自然遊歩道のような趣を持っている。ぼくはよく好んでそんな小さな森のなかを散策するのだが、ある日ふとたくさんのきのこが生えていることに気がついた。そう、森といえばきのこである。映画「かもめ食堂」に出てくるフィンランドの森のなかで、マサコさんこともたいまさこがきのこ狩りをしていたことが懐かしく思い出される。

 

毎日通る同じ道でも、見方を変えると世界はまたく違った姿を見せるのだ。 

 

そんなわけで「松江城マッシュルームマップ」はじめます。英訳すると「Matsue - Castle Mushroom Map」ということで、3M(スリーエム)と覚えやすい。

 

まあ歩いていて気になったきのこを紹介していくだけの適当な内容なので、鼻でもほじりながら読んでいただくのに最適であろう。

 

ちなみにぼくはきのこの権威ではないので、きのこの情報についてぼくの勝手な妄想だったり、間違った内容を書くことも大いに考えられる。だから、ぼくの書いたことを読んで、「食べられるきのこが松江城に生えてるじゃん、きょうはきのこパーティーだね、母ちゃん!」などと迂闊にきのこを食べて中毒死などしても当方は一切関知しないし、知ったこっちゃないのであしからず。きのこのご利用は自己責任で計画的に願いたい。

 

さて、きょう見つけたきのこの話に移ろう。広大な苔の海にプリプリかわいいきれいなピンク色のきのこが生えていたのでハンティングしてみる。

 

「ドクベニタケ」である。

 

松江城マッシュルームマップ - ドクベニタケ -

 

ベニタケ科ベニタケ属ドクベニタケ節のきのこで、見た目はなかなかかわいいのだが、有毒きのこちゃんである。

 

ただこのベニタケ科には酷似した仲間たちが非常に多く、同定するのが困難だとされている。毒きのこの多くがこのベニタケ科に属しているものだと言われているのだが、味に関してはなかなかよいものがあるそうだ。味がよいのなら食べてみたいと思うのだが、食後の症状としては、はげしい下痢などコレラのような胃腸系の中毒、痙攣、ショック、発汗、呼吸困難などを引き起こす。

 

はい、というわけで、見た目は完全にかわいくて美味しそうだけど、そして美味しいかもしれないけれど、よい子のみんなは食べちゃ駄目きのこですよ。

 

この日はカメラに望遠レンズを付けてきてしまったので、きのこを見つけては後方に走って遠ざかり、ずいぶん遠方から小さな小さなドクベニタケを撮影しまくって、炎天下の中、汗だくになった。嗚呼、なんと健康的な汗であろう、夜飲むビールがきっと美味しいよ、母ちゃん。つまみはドクベニタケで決まりだねっ!

 

 

 

日本の毒きのこ (フィールドベスト図鑑)

日本の毒きのこ (フィールドベスト図鑑)

 

 

 

 

月白貉