ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ヘルンナンデス・レオ - 松江百景

松江市のとある街角にまっしろフサフサのかわいい犬がいる。

 

というわけで今回の松江百景、「ヘルンナンデス・レオ」である、ぼくは「レオちん」と勝手に呼んでいる。

 

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どうやらとある染物屋さんの看板犬らしく、毎日毎日そのお店の店先で座ったり寝っ転がったりして、フニフニしている。

 

犬種はたぶんスピッツであろうか、とてもお利口な犬で、ほとんど吠えたりはしない。

 

そしていつも毛がフサフサのおしゃれさんである。毎日お手入れをしてもらっているのだろう。

 

犬の顔にも、ハンサムなのとか美人なのとか憎たらしいのとかブスなのとかいろいろいる。レオちんはすごく整ったかわいい顔をしていて、かつ賢そうな雰囲気を醸し出している。飼い犬はご主人様に似るとよく言うから、もしかしたらご主人様がハンサムで賢い人なのかもしれない。

 

レオちんを見るとぼくはなんとなく、南総里見八犬伝の「八房」を思い出す。

 

大きさやら造形やら、そもそも犬種が違うのだろうけれど、そういうことってあるのだ。

 

ぼくはレオちんのお店の前を通りかかると必ず声をかけているのだが、どうやら顔を覚えられたらしく、「あっ、またあいつだ。」と、知らんぷりをされることが多い。だけれど、女性を連れている時には知らんぷりされない。八房が伏姫にその身を捧げたように、レオちんは女の子に弱いようである。

 

まあレオちんは男の子だから女の子が好きなんだろうなあ。ミミズもオケラもアメンボもみんな、男の子は女の子が大好きなのだ。人間の男の子の中には男の子が好きな人もいるけれどね。

 

この間、知らんぷりしているレオちんの鼻にぼくの鼻をくっつけてみたら、「フーっ。」と唸られた。でもそんなに怒ってはいなそうだったので、またこっそりやってみようと思っている。

 

そんなこんなで、レオちんはぼくが勝手にお友だち認定をしている数少ない犬であり、松江百景にふさわしい犬である。いつの日かその身から八つの玉が飛び出したら、いっこがぼく元に飛んでくるようにと願ってやまない。

 

 

 

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月白貉