ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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随筆-日常

ヤツメウナギ型大量殺戮兵器

忘れる夜の夢はすぐ忘れるくせに、忘れない夜の夢はいつまでも、頭をさまよってぼくを夜へと誘う。 かつて江戸川乱歩が言っていた。 うつし世はゆめ よるの夢こそまこと 江戸川乱歩 (コロナ・ブックス) 作者: 太陽編集部 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 19…

夢の涯てまでも

「あなたの夢に、色はついていますか?」とたずねられた。 夢判断 上 (新潮文庫 フ 7-1) 作者: フロイト,高橋義孝 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1969/11/12 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 91回 この商品を含むブログ (39件) を見る 夢判断 下 (新…

映画鑑賞概論 - 夜店の焼きそば考 -

つい先日、スター・ウォーズの最新作、「フォースの覚醒」を鑑賞するため映画館に足を運んだ。 映画 スターウォーズ フォースの覚醒 ポスター 42x30cm STAR WARS エピソード7 [並行輸入品] 出版社/メーカー: Star Wars: The Force Awakens メディア: この商…

「ストツー」的タバコのポイ捨て改善方法

こんな田舎でも、吸い終えたタバコを排水口に捨てている人をよく見かける。 大抵は中年以降の男性で、スーツを着ている偉そうな輩が圧倒的に多い。けっして偏見ではなく、目の当たりにしているから。 そして、つい先日は某国役所勤めの職員だと明らかにわか…

サンタクロース・フレイバー

もうずいぶん前の話になるけれど、大阪に住む伯母が亡くなった。 伯母はぼくの父の姉にあたる人物で、大阪の大きな病院で総婦長を務めていた。伯母は頭がよく努力家で、お酒が大好きで、そしてとてもやさしい人だった。 毎年クリスマスの日になると、伯母か…

優先席

ウィークデイの昼過ぎ、空いている列車に乗り込み、ふと車内を眺めると、座席にはまばらに人が座っているほど。 灰色のシートに包まれた優先席には誰も座っていない。 だから、優先席に座ってみる。 誰も座っていないのだから、気兼ねなく、ただ少し気兼ねを…

更かし夜

窓に顔を近づけたら、外の涼しさが窓越しに漂っていて心地よい。 ここに引っ越してきてから毎日眺める、四角くてクリーム色の給水塔、遠くのマンションの切れかけた非常灯、いつもどんより灰色の空、もう死んでしまったもしゃもしゃのコロコロ猫、まだ生きて…

地下水

真っ暗な水の中にぼくはいた。 本当に真っ暗すぎて、暗いということもよくわからなかった。 永い眠りから覚めたばかりで、まだ目を閉じたままだと思っていたら、すでにぼくの目は開かれていて、真っ暗を見ていた。目を瞑っていた時と変わらない真っ暗。じゃ…

ダンテ日和

考えるべきことはたくさんある。 そのひとつひとつに、小さな不安と、不安よりもだいぶ小ぶりな希望がつきまとう。 昔、まだ二十代の前半に、アルバイトの帰りに雨が降り出した。 その時、別にいやなことがあったわけでもないのに、一人暮らしの家に帰るのが…

明けない悪夢

さいきん、頻繁に怖い夢をみて真夜中に目が覚める。 本当に怖い夢なので、目が覚めているのかどうなのかさえわからなくなり、しばらく真っ暗な部屋の中で、身動きができずにいる。 今日の明け方、最後にみた夢。 ぼくはどこかの学校の校舎のような所にいる。…

こわい携帯

新宿駅の構内を歩いていたら、ぼくの前を10代後半の女の子二人と50代くらいの女性が並んで歩いていた。 すると女の子のひとりが突然、 「ママ、携帯が鳴ってる!こわい、こわいよ!!」 と言い出したのである。 そこでその三人が親子なのかなと、ふと思う。 …

花言葉

散歩をしていて、すごく素敵なお庭を見つけた。 家のまわりには垣根もなく、一見するとただ雑然とたくさんの草木や花が放置されているように思える。 ただよく見てみると、とてもとても放置して出来るような空間ではなく、筆舌には尽くしがたい。 ひとつひと…

その向こうに見えるもの

ここ数年でめっきり眼が悪くなった気がする。 中学生くらいまでは、確かぼくの視力は2.5はあったんじゃないかと記憶している。 それがいつの間にやら急降下して、今では家でテレビを観るのにも眼鏡を探すまでになってしまった・・・。 昔は視力が低下するな…

ゴミの中のムルシアン

近所のゴミ捨て場に空き瓶を捨てにゆくと、小さなムルシアンが鎖でつながれて捨てられていた。 その顔には精気がなく、ひどく荒んだ様子だったので、なんだか可哀想になって家に連れて帰った。 鎖を解いて、綺麗に体を洗って、部屋に放してみると、ゴミ捨て…

ため息カナブン

道を歩いていると、歩道の真ん中でカナブンがひっくり返っていた。 手だか足だかわからないものを、バタバタと動かしながら、おなかを空に向けて、ゆりかごのようにゆれていた。 「ひっくりかえってしまったのだね。」 夏も、もう終わるのに、こんなところで…

杜撰の食堂

ちょっと前に、とあるお蕎麦屋さんでお昼を食べようとおもって入店すると、日替わり定食というメニューがあったので、 「きょうの日替わり定食はなんですか?」 とたずねたところ、 「きょうは蕎麦です。」 と少ない情報量で言われた。 蕎麦屋の日替わり定食…

戦慄怪奇!!見知らぬ配達員

荷物を届けにくる某S急便のぼくの地区担当のひとりで、届け方が荒いとうか雑というか、もはやホラーな域の人間がいる。 突然玄関のドアが「ドンドンドンッ!」と激しく鳴ったと思うと、すかさず「ガチャガチャガチャッ!!」とドアノブが暴れだす。 何だと思…

地獄のワンタッチ

押せばすんでしまうワンタッチな「ボタン」って、まったくいらないと思う。 いや、いらないというか、 だめだと思う。 ぼくの実家の方では昔(いまでもだが)、時期によって電車のドアが自動では開かなかった。学生時代に電車通学だったぼくは、時期限定でド…

ある日の共犯者たち

とある日の出来事。 用事を終えて深夜バスに乗るべく、ある駅の待合所でバスを待ちながらうだうだしていると、 高校生二人がその待合室に入ってきて雑談の後去っていったのだが、ふと見ると二人が座った待合所の簡易ソファーにひとりがサイフを落としていた…

おどりましょうよ。

調べ物をしていたら、なぜか「Shall we ダンス?」の動画が出てきたので、久しぶりにしばらく鑑賞する。 たまこせんせいが言う台詞がすきさ。 杉山さん、ダンスはスッテプじゃないわ、音楽を体で感じて、楽しく踊ればそれでいいの。 映画に出てくるダンス教室…

モノ言う異端者

いくらきれいごとを並べたってしかたがないさ。 現実に汚物にまみれた世界を、見て見ぬ振りをして、 「嗚呼、なんて美しい世界でしょう。」 と言いはる者がいるけれど、そんな者に誰かが救えるなんてぼくには残念ながら思えない。力が足らず汚物に埋もれて助…

耳なしコールセンター

きょう、とある申し込みのために受付のコールセンターに電話をしたのだが、 「おまえ、ふざけてるんじゃないだろうな!」 というくらい、人の言うことを間違って復唱する担当者だった。 念のため書いておくが、ぼくの滑舌や発音は一定のレベル以上には、はっ…

守護石“珍”ガイドマップ

誕生日ごとの守護石が書かれている本をパラパラ見ていたら、 掲載されているそれぞれの石ごとに「ラッキープレイス」なる項目が書いてあるのだが、 なにがどうラッキープレイスなのかまったく意味がわからん。 たとえば、ラッキープレイス:ハイテク工場。 …

大中小の中空

東京で居酒屋に入るといつも気になっていたのだが、 生ビールの「中」ジョッキはあるのに、 「小」と「大」はない店が非常に多い。 だったら別にメニューに「中」とか書かないで生ビールジョッキでいいじゃないか。 小も大もある店ならもちろん中の表記が必…

しあわせ歌謡曲

昨日の夜、ふいに水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」が頭をよぎり、 食器の洗い物をしながらやや大きめの声で歌ってみる。 大きめの声になったのは、 おそらくほろ酔いだからである。 二番が思い出せなくて一番をループする。 調べるのもしゃくなので一番…

美化語マニュアル

飛行機の中でスチュワーデスにサービスドリンクの種類を聞かれたので、りんごジュースを頼んだら、 「はい、おジュースでございますね。」 って言われた。 「おジュース」かあ・・・、まあ聞くフレーズではあるけれど。 前から思っているが、 カタカナに「お…

行き逢う神のそれぞれ

ふと思ったことがある。 ぼくは道端でいろんな人に出会う。 見知らぬ人に声をかけられる。 道を聞かれたり、 世間噺の相手になったり、 助けてもらったり、 意味不明な挨拶を頂戴したり、 云々。 でもそのほとんどが、 今でもほんとうに見知らぬ人である。 …

水たまりの鰐

道路の水たまりに鰐などいないと思っているきみたちへ。 いいや、鰐はどこにだっているんだよ。 近所のカレー屋のフィンガーボールにも、 朝露の雫にも、 道路の水たまりにも。 気を付けたまえ。 いざという時に守ってくれる人を探したまえ。 安全な場所など…

オオカミ少年とヒバゴン

きのこを探して雑木林の奥深くを歩いていたら、その林の外の広場に小学生の集団がいて課外授業らしいことをしていた。 ぼくのいるところからはずいぶんと距離があったし、さらにぼくは鬱蒼とした樹々の奥のほうで、地面すれすれまでしゃがんで写真を撮ったり…

無題の猫の物語

きょう雨の中、道を歩いていたら、前から歩いてくる60代くらいの観光客風の夫婦の会話が聞こえてきた。 奥さんのほうが「猫が死んでるよ!」と言うと、旦那は「ネズミだよねネズミ。」と言いながらこちらに歩いてきた。 その夫婦とすれ違ってからその場所を…