ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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妖怪

宮尾明神の河虎(かわこ)の詫び証文【後編、そして継続】

神主さんのご自宅の玄関先におじゃまして早々、ぼくは今回のフィールドワークの核になる質問を投げかけてみた。 「突然おじゃましてすみません、じつはこのあたりを散策しているものなんですが、この周辺に河童の詫び証文を保管している神社があると聞きまし…

宮尾明神の河虎(かわこ)の詫び証文【前編】

江戸時代に書かれた松江松平藩の地誌「雲陽誌」の西川津の項に、こんなことが書かれている。 宮尾明神 大己貴命をまつる、本社五尺四方、拝殿九尺 梁に三間、境内皆山なり、祭禮正月三日九月廿五日、古老傳にいわく昔西川津村を西長田村といひし時、猿猴人民…

玉造要害山の大天狗(後編)

石段を駆け上がったぼくの前に姿を現したのは朽ち果てた社であった。 神社であることはなんとなく把握できるのだが、どう考えてもいまはもう何も祀られてはいないのではなかろうかという状態で山の頂上に佇んでいる。遠目ではあるが、社の奥の方に何やらあぐ…

玉造要害山の大天狗(前編)

玉造温泉に足を運んだ際に訪れた玉作湯神社、 『延喜式』および『出雲国風土記』に記載のある古社であるとの記述があるが、創建時期は不明だとのことである。 延喜式 (日本歴史叢書) 作者: 虎尾俊哉,日本歴史学会 出版社/メーカー: 吉川弘文館 発売日: 1995/…