2016-08-10から1日間の記事一覧
序章として〚第零話〛がありますので、もしご興味があれば以下をどうぞお読みくださいまし。 憑物研究の第一人者で民俗学者の石塚尊俊は、憑物について以下のように述べている。 わが国における憑きものは、元来は決して悪いものではなかった。つまり人の持…
ぼくが数年前に住んでいた山間部の小さな地域には、今でも「外道(ゲドウ)」とか「ゲド」と呼ばれる、いわゆる憑物(つきもの)の話が残存していた。 話だけではなくて、実際にその憑物筋の家がいまだにあるようだったが、調べたわけではないので、定かでは…
第一幕『昼』 季節がひとまわり。 久しぶりにこの場所に来てみる。風が気持ちよい。ずいぶん前にここに来た時にも、風が気持ちよいと、そう言ったことを思い出す。そして風が気持ちよい時には、いろんなことがうまくいくはずだけれど、果たして。 一年が過ぎ…