ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2016-07-26から1日間の記事一覧

第九話『事情聴取』- 午前0時の、本当は読まれていない、普通の階段の怪談 -

まだ前の話を読んでいない方、この話には前があります。まあ、誰にも読まれていませんし、普通の階段の話ですがね。 「川田くん、昨日の今日でほんとごめんね・・・。で、早速で悪いけど、二階の個室でちょっと話そう。」 カラオケボックスの営業は、午後一…

第八話『記憶の歪』- 午前0時の、本当は怖いけれど誰も読まない、普通の階段の怪談 -

まだ前の話を読んでいない方、この話には前があります。まあ、特に何の変哲もない、しかし本当は怖い、普通の階段の話ですがね。 ダイキさんが玄関のチャイムを鳴らしたのは、その二十分ほど後のことだった。 「わりいな、休みの日なのに・・・。なんかちょ…

第七話『闇に飲み込まれる人々』- 午前0時の、誰も降りてこない、階段の怪談 -

まだ前の話をお読みいただいていない方、この話には前があります。まあ、ほとんど誰も昇り降りしないような、普通の階段の話ですがね。 バナナの最後の欠片を口に含んだまま、ぼくはすぐにバックパックを背負い、ダイキさんとユカさんの家を後にする。 ポケ…