目を覚まして時計を見ると午前6時37分だった。 昨日の夜遅くに、酒を飲みながらふとした瞬間、その日が十数年前に死んだ父の命日だったということに気が付いた。ずいぶん酔っていたせいもあったのか、何だかつい数日前まで父が生きていたような錯覚に陥った…
「カナは、給食で一番好きなものは何?」 夜の七時過ぎに仕事から帰宅したシンヤがシャワーを浴びてから遅れて食卓につくと、娘のカナと妻のヨシエが食後のリンゴを齧りながら話をしていた。 「給食はキライ。」 シンヤのために食卓に準備してあったのは、豚…
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