ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2016-06-30から1日間の記事一覧

蜘蛛チカ【 第一話 】

駅前の不動産屋のウインドに貼られた物件情報を眺めていると、気になるキャッチコピーを見つけた。 「築40年 蜘蛛チカ 1LDK 風呂トイレ別 家賃三万五千円!」 コピーの文言の一部に疑問を感じて、ウインドに張り付くようにしてその物件情報に見入っていると…

キプロスの麻薬

見知らぬ街を歩いていて、何気なく入った古美術店。 そこで播磨と名乗るひとりの年老いた考古学者と出会う。 「私は考古学者をしていてね、嘘だと思うかもしれないけれど、ほんとうだよ、考古学者をしている。本なんかも何冊か出しているよ、ほら。」 そう言…