ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2015-11-06から1日間の記事一覧

行き逢う神のそれぞれ

ふと思ったことがある。 ぼくは道端でいろんな人に出会う。 見知らぬ人に声をかけられる。 道を聞かれたり、 世間噺の相手になったり、 助けてもらったり、 意味不明な挨拶を頂戴したり、 云々。 でもそのほとんどが、 今でもほんとうに見知らぬ人である。 …

ホコリタケ/キツネノチャブクロ(Lycoperdon perlatum)- 松江城マッシュルームマップ

ぼくは掃除が好きである。 もちろん、お見合いの場で「ご趣味は?」と聞かれた際に「掃除です。」と答えるほどのものではないし、一日のうちに十時間も二十時間も掃除に時間を費やすほど極度の潔癖症でもない。ただ掃除をすることに抵抗はないし、好きか嫌い…

月に眠るオランウータン

赤い色をしたジュースを飲み干して、 きみにたずねるのです。 「なんで笑ってるの?」 「グラスの底にキノコが生えているから。」と、きみはクスクス笑うのです。 閉店の時刻を過ぎても、 店主は何も言いません。 ぼくはグラスの底を見つめ、 きみはクスクス…

クマの味

「白いお米と、塩だけのおにぎりは、おいしいです。 白いお米に、味噌を塗るのもおいしいですが、 やはり、塩だけが何よりおいしいです。」 近所の公園にいる、まっ白い毛をした小さなクマは、 いつも風呂敷を首に巻いています。 あるときぼくが公園の横を通…