ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

血と暴力の先にあるもの、アーニャ・ベイヤーズドーフ監督『ヴァンピーア(原題:Vampir)』

今回は、オーストラリアの女流映画監督アーニャ・ベイヤーズドーフ(Anya Beyersdorf)による『ヴァンピーア(原題:Vampir)』という短編作品を取り上げてみたい。

 

Vampir

Vampir

source: anyabeyersdorf.files.wordpress.com/2015/09/vampir_presskit.pdf

 

ちなみにだが、「ヴァンピーア(Vampir)」とはドイツ語で、これは英語で言う「ヴァンパイア(Vampire)」、つまり日本語に置き換えると一般的には「吸血鬼」という意味になる。

 

この吸血鬼なる存在が何かという話を繰り広げるには多くの言葉を要するのだが、一般的には世界各地の民俗の中で語り継がれているいわゆる悪しきものであり、簡潔に言えば血液を吸って自らの栄養源とする生ける死体もしくは不死者である。また日本語の吸血鬼には、それが転じて、“無慈悲に人を苦しめて利益を搾り取る人間”という意味もあるらしい。

 

無慈悲な搾取者に対して「あいつは吸血鬼だ!」という表現を個人的に日常生活で使ったことはない。ぼくがそう口にする場合には、「あいつは血を吸う不死者に違いない」というケースがほとんどである、どうでもいい話だけれど。

 

さて、当ウェブログの構成要素として「ヴァンピーア」というタイトルとなれば、当然ホラー要素満載の吸血鬼作品だと思われるかも知れないが、それは観てのお楽しみ。

 

少しだけ言えば、吸血鬼映画というものが、必ずしもそういったモンスター的な、あるいは民話や伝説に登場する邪悪な存在である吸血鬼を直接的に描いたものだけではないであろうということである。

 

では一体この作品で描かれていることはなんぞやということだが、それは本編をご覧頂いてあなた自身が考えるのがよろしかろうと思うので、個人的な見解は割愛させていただく。ただ物語の根底にはもちろん、ヴァンピーアというテイストが色濃く滲んでいることは確かである。

 

少しだけキャストの話を付け加えておくと、本作品でウラジミール(Vladimir)という名の男を演じているのは映画監督でもあるトニー・ロジャース(Tony Rogers)である。おそらくは彼が、作品の軸としての吸血鬼なのだと思うが、あるいは。

 

 

というわけで、『ヴァンピーア』の本編が公開されているので、興味のある方は是非にもご覧頂きたい。一見の価値はある作品だと個人的には感じたよ。

 

 

 

 

ホラー映画歴史的な悪魔狩人一族の血を引く最後の生き残り、ベン・ジャガー監督『コービン・ナッシュ(原題:Corbin Nash)』

 

ホラー映画ロブ・ゾンビ監督による『スリー・フロム・ヘル(原題:3 From Hell)』の撮影が開始される!

 

SF映画デヴィッド・サクライ主演のディストピアな近未来SF、ショーン・ラナ監督『ザ・ブッチャー(原題:The Butcher)』

 

SF映画心と体を完璧にするインプラント施術とは?エディー・アルカザー監督『パーフェクト(原題:Perfect)』

 

ホラー映画年老いたマイケル・マイヤーズ?を描いた『ハロウィン』のファンフィルム、D・H・カニングハム監督『ヒー・ウェイツ(原題:He Waits)』

 

海外ドラマシリーズ『宇宙家族ロビンソン』のリブート作品がNETFLIXにて限定配信、トビー・スティーブンス主演『ロスト・イン・スペース』

 

海外ドラマシリーズジョーダン・ピールの放つドラマシリーズ『ラヴクラフト・カントリー(原題:Lovecraft Country)』、第一話監督はヤン・ドマンジュだってよ。 

 

月白貉 - Mujina Tsukishiro