ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2016年度トライベッカ映画祭オーディエンス賞受賞のゾンビ映画、ロッド・ブラックハースト監督の『HERE ALONE』。

2001年9月11日にアメリカ合衆国内で同時多発的に発生した、“9/11”とも称される航空機などを用いた史上最大規模のテロ事件のことは、いまでも人々の記憶に焼き付いていることと思う。

 

当時ぼくは家で夕食の支度をしていて手に火傷を負い、その傷を冷やしながらテレビのニュースを観ている時に、世界貿易センタービルに航空機が激突する映像が映し出されるのを目にして、“一体何が起こっているんだ・・・”と大きな衝撃を受けた覚えがある。

 

その同時多発テロ事件以降、ニューヨークの復興を願って2002年に開始された映画祭が存在する。映画プロデューサーのジェーン・ローゼンタール(Jane Rosenthal)、俳優のロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)、そして投資家のクレイグ・ハットコフ(Craig Hatkoff)によりはじめられた、トライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival)である。

 

さて今回は、昨年2016年の本映画祭において、オーディエンス賞(Audience Award)を受賞したゾンビ映画を取り上げてみたい。

 

ロッド・ブラックハースト(Rod Blackhurst)監督による『Here Alone』である。

 

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image source : HERE ALONE

 

舞台は米国ニューヨークの北部、謎の感染病によって崩壊した世界を生き抜く20代後半の主人公、ルーシー・ウォルターズ(Lucy Walters)演じるアンの物語である。

 

ゾンビ映画にしてもヴァンパイア映画にしても、そしてキラークラウン映画にしても、多かれ少なかれその裏で描かれているテーマは、現在ないしは近未来のアメリカあるいは世界の姿なのだと思う。 

 

崩壊や混沌というのは、ある意味においては楽園と同義だと個人的には思っている。恐怖や苦悩がない世界が楽園だと思われがちだが、それはまったく違っていて、圧倒的な恐怖と苦悩に覆われた世界だからこそ、幸福を求める意味がはじめて存在するではないだろうかと、そういうわけである。

 

とまあそんなわけで、本作品の予告編が公開されているので、今回は新旧合わせて2種類ご紹介したい。予告編を観る限りでは、ドラマ性の強いシリアスなゾンビ映画である。

 

では、どうぞ。

 

 

 

 

 

ゾンビ映画大事典 (映画秘宝COLLECTION)

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別冊映画秘宝 ゾンビ映画大マガジン (洋泉社MOOK)

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月白貉